教務システムの選び方
システム化する業務としない業務の切り分け、標準機能と個別対応の見極め方を具体化します。
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教務システムを検討し始めたとき、まず必要になるのが情報収集です。検索や比較サイトで候補を知る方法もありますが、複数の製品を実際に見比べながら担当者に相談できる展示会は、検討初期の情報収集手段として有効です。本記事では、主な情報収集方法と、特に展示会で確認しやすいポイントを整理します。
教務システムを検討するとき、最初から候補製品が決まっていることは多くありません。どのような種類のシステムがあるのか、どこまでの業務をカバーできるのか、学校ごとにどんな違いが出るのかを把握するところから始まります。
そのため、情報収集の段階では一つの方法に絞るのではなく、検索、比較サイト、展示会などを組み合わせながら、全体像を整理していくことが重要です。
また、どの業務をシステム化するか、しないかの切り分けを、学校の職員や先生だけで最初から固めるのは簡単ではありません。実際には、何社かに相談し、話を聞きながら論点を絞っていく中で、必要な整理が固まってくることも多くあります。
最初の入口として使いやすいのは、インターネット検索です。「教務システム」「校務システム」「学籍管理システム」などのキーワードで調べると、多くの製品サイトや解説記事、導入事例にたどり着きます。
検索の利点は、短時間で幅広く情報を集められることです。一方で、各社の発信が中心になるため、違いが見えにくいこともあります。画面の分かりやすさや、実際の運用イメージまでは読み取りにくい場合もあります。
比較サイトを使うと、複数の製品を一覧で確認しやすくなります。どのようなカテゴリの製品があるのか、何が主な比較軸なのかを把握する段階では有効です。
候補となる製品名を広く拾いたいときにも役立ちますが、実際の画面や運用時の流れ、学校ごとの向き不向きまでは見えにくいことがあります。比較サイトで候補を知り、その後に各社サイトや展示会で理解を深める流れが現実的です。比較の観点そのものは、「教務システムの選び方」で整理しています。
教務システムの情報収集手段として、特に相性がよいのが展示会です。教育分野の展示会では、多くの企業がシステムやサービスを出展しており、複数の製品を短時間で見比べることができます。
検索や比較サイトと違い、実際の画面や操作感、説明の分かりやすさをその場で確認できる点が大きな特徴です。また、担当者に直接質問できるため、自校の課題を前提に話を進めやすいのも展示会の利点です。
教育分野の展示会として代表的なのが、EDIX(教育総合展)です。教育機関向けのICT機器やシステム、教材などが集まるため、教務システムや校務DX関連の情報をまとめて見たいときに向いています。
EDIXのよい点は、複数のサービスを同じ場で比較できることです。教務システムそのものだけでなく、周辺業務に関わるサービスも含めて見られるため、自校の将来像まで含めて検討しやすくなります。
同じ日に複数社の説明を聞けるため、機能の違いだけでなく、提案の具体性や運用イメージの差も見えやすくなります。
一覧性、入力のしやすさ、検索導線など、サイト上の説明だけでは分かりにくい使い勝手を確認できます。
どのような学校で、どの業務から見直したのか、定着までに何をしたのかなど、実務に近い話を聞きやすくなります。
自校の課題を伝えながら話せるため、単なる機能説明ではなく、運用を前提にした比較につながります。
展示会では、短時間で多くの情報を集めることができるため、教務システムの検討を始める際の入口として非常に有効です。まず全体像を把握し、その後に気になった製品を深掘りしていく進め方がしやすくなります。
展示会では、ただ資料を受け取るだけだと後から比較しづらくなります。見るべき観点を持っておくと整理しやすくなります。
また、「いま困っていること」を一つか二つに絞って持っていくと比較しやすくなります。属人化、データ分散、画面の分かりづらさ、帳票作成の手間など、実感のあるテーマとあわせて、「ここはシステム化したい」「ここは今回はしないかもしれない」と伝えるのが効果的です。
情報を集めること自体が目的になると、資料や候補だけが増えて判断しにくくなります。検索で広く把握し、比較サイトで候補を並べ、展示会で実物を見て理解を深める、という順で進めると整理しやすくなります。
教務システムは、機能一覧だけでは判断しにくい製品です。情報収集の段階から、自校の業務に引き寄せて「何をシステム化するか」を考えながら見ることが、後の選定や導入判断につながります。こうした整理の考え方は、「教務システム導入成功のための考え方」で詳しく扱っています。
まずは情報を集めながら、気になった 1〜2 社に問い合わせてみるところから始めるのが現実的です。最初は、カスタマイズをほとんどしない標準機能前提の製品と、ある程度はカスタマイズに対応する製品を 1 社ずつ比べてみると、製品思想の違いがつかみやすくなります。最初から完璧な必要条件を言葉にできなくても、各社のサイトを見たり、相談や見積のやり取りを通じて、どの業務をシステム化すべきか、どこは今回は見送るべきかが固まっていきます。必要に応じて、初期整理の段階だけコンサルタントの支援を受ける方法もあります。
システム化する業務としない業務の切り分け、標準機能と個別対応の見極め方を具体化します。
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< コラム一覧へCampus Force NEO は、学校業務のつながりを踏まえながら、どの業務をシステム化するか、どこまで個別対応するかを整理しやすい構成を目指しています。展示会で気になった論点の整理や、自校の課題に合わせた比較相談にも対応しています。